生前贈与

金対策として生前贈与をする、という話を良く聞きませんか?
生前贈与って、本当に税金対策になるのでしょうか?
そもそも相続税ってどれくらいかかるものなんでしょうか?

気になるけど良く分からない、相続税・生前贈与について比較してみましょう。

【相続税】


相続税額を算出するには、まず各相続人の課税価格を算出します。
 @相続又は遺贈により取得した財産の価額
 Aみなし相続により取得した財産の価額(生命保険金・死亡退職金など)
 B相続時精算課税制度に係る贈与財産の贈与時の価額
 C被相続人からの死亡前3年以内の贈与財産の価額
 以上4種類の財産が相続税の課税対象となる財産です。
 これらを足した価格から、
 D非課税財産の価額(仏具・生命保険金の一部など)
 E債務及び葬式費用の額
 以上2種類の額を引いた金額が各相続人の課税価格となります。
 @+A+B+C−D−E=各人の課税価格(1,000円未満切捨)


次に各相続人の課税価格を合計して、課税価格の合計額を算出します。
 相続人Aの課税価格+相続人Bの課税価格+…=課税価格の合計額
この合計額から基礎控除額を引いて課税遺産総額を算出します。
 課税価格の合計額−基礎控除額=課税遺産総額

さて、上記の【基礎控除額】ですが、これが意外と大きいのです。
 基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
例えば妻と子2人、合計3人が相続人となる場合、
 5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円が基礎控除額となります。


つまり法定相続人が3人の場合、課税価格の合計額が8,000万円以下であれば、相続税は課されないことになります。

【生前贈与】


生前贈与というのは、基本的には普通の贈与と変わりません。
贈与税額を算出するには、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額を合計します。
そしてその合計価額から基礎控除額(110万円)を引いて算出します。


例えば2,000万円の財産を贈与された場合、贈与税額は、
 (2,000万円−110万円)×税率50%−控除額225万円=720万円
なんと、720万円もの贈与税を納めないといけないのです。


3人の子が、6,000万円の土地を各持分1/3ずつ親から贈与された場合、子1人あたり720万円もの贈与税を納めないといけません。これでは贈与された土地を手放さなければならなくなるかもしれません。
そこで贈与税には特例が定められています。
生前贈与との関係では【相続時精算課税制度】があります。

【相続時精算課税制度】


相続時精算課税制度とは、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め(ただし、2,500万円の特別控除額が認められています)、その贈与者の死亡時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除する制度です。
もう少し簡単に言えば、『生前贈与でも、相続で財産を得た場合のような取り扱いをしてくれる制度』です。


<適用対象>
贈与者は65歳以上の親
受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子(代襲相続人を含む)


<贈与税額の計算>
贈与財産の価額の合計額から、贈与者死亡まで複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額は受贈者1人あたり2,500万円。前年以前において、この特別控除額を利用して控除をしている場合は、その残額が限度額となる。)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。
そして、相続が開始したら、それまでの贈与財産と相続財産とを合わせた相続税額から、既に支払った贈与税相当額を引くことになります。もし、既に支払った贈与税相当額が相続税額を超える場合は、超過分の還付を受けることが出来ます。


例えば6,000万円の土地を、3人の子に、各持分1/3ずつ生前贈与すると、子1人あたりが取得するのは2,000万円相当となります。従って、相続時精算課税制度の特別控除枠2,500万円を超えないので、その時に贈与税を納める必要はありません(贈与税の申告は必要です)。そして500万円の特別控除枠が残り、それ以後も500万円までの贈与については課税されません。特別控除枠の残額を超える贈与を受けた場合は、一律20%の課税がなされます。 また、それ以前に特別控除枠を利用していた場合で、今回の贈与で特別控除枠を超えてしまう場合は、超過額につき一律20%の贈与税が課されます。


<相続時精算課税制度利用の注意点>
相続時精算課税制度を利用した場合、一般贈与の基礎控除額110万円以内の贈与であっても、相続時精算課税制度を利用した贈与となります。つまり、110万円以内の贈与であっても、相続時精算課税制度の特別控除枠を消費し、贈与税の申告が必要となります。また、一旦、相続時精算課税制度の適用を受けてしまえば、相続時まで継続して適用され、途中からその適用を受けないとすることは出来ません。


<相続時精算課税制度利用のメリット>
相続時精算課税制度を利用する利点は、相続税の計算が、相続時の財産価額ではなく、贈与時の財産価額によりなされることです。つまり、値上がりが見込まれる財産を、その値上がり前に相続時精算課税制度により贈与してしまえば、普通に相続するより、安い価額を相続税の計算の基礎とすることが出来るのが利点です。
また、2,500万円という大きな特別控除枠内であれば、贈与税の負担無く、子供の生活支援が出来るのも大きな利点です。

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